銀婚湯の温泉

銀婚湯温泉は、落部川中流の中州より湧出する

道南屈指の名泉として広く知られています。

当温泉の発見は、かなり古く、先住民族が

狩猟のおりおりに汗を流し、時には

療養のために常浴していたようです。

しかし戊辰の役に榎本武揚率いる幕軍の負傷者を

湯治させて顕著なる効能があったというので、

一躍有名になった温泉でもありました。

当時は熊笹で覆った堀立小屋程度の湧出の

少ない山中無人の山湯だったのでしょう。

大正十四年五月十日、七飯峠下の川口福太郎・

志あって中州を開掘し、熱湯大量湧出に成功し、

温泉宿建設に夢をはせたものでした。

ときあたかも大正天皇銀婚の佳日に当たり、

妻トネの発案で、そのお目出度いお祝いに

自分たち夫婦の銀婚式を重ね合わせて

銀婚湯と命名したのです。

その後幾多の試練があったが、妻トネの

血の滲むような努力によって今日の銀婚湯の

礎が築かれたのであります。

近年、銀婚湯の夫婦円満の佳きことにちなみ、

それにあやかりたいと全国より銀婚を迎える

お客様の御利用が絶えることがない程に

なりました。

銀婚湯のまわりは、深山幽谷、自然がいっぱいの

環境に恵まれ、春の桜・樹々を飛びかう小鳥の

さえずり、絶えざるせせらぎの音、秋の紅葉・

静寂の冬景色、さらに、山水自然の美の中での散策

山菜採り、山女魚釣り等の興味は格別であって

休憩保養に、このうえない温泉であります。